おむつとフェルメール

一日中風が強かった。追い風と向かい風の比率はどう考えても半々ではない気がする。どうしてだろう。

前を歩いていた女の人の手から、おむつが風に飛ばされて宙を舞っていた。なぜおむつを手に持っていたのか、そのあとずっと気になった。もしかしたらわざと飛ばしたのかもしれない、それで遊んでいたのかもしれない、なんて考えると、気が気じゃなかった。

自転車に乗っていて、目にごみが入った。家に帰って数十分洗眼したが、どうしてもとれない。眼鏡をかけていればよかった。スタッフが全員眼鏡をかけた眼科があれば行くのに。

地元の中央図書館に行ってフェルメールの画集を見た。僕には、美術の素養も教養もないので、先日、森村泰昌の本(タイトル忘れた)を読んで、初めてフェルメールを知った。何が良いと感じるのか、さっぱり言葉にできないけれど、すごく惹かれる。不思議だ。

美術に対する興味が形成された自分の原体験は、ずっと以前に、国立西洋美術館にある、マリー=ガブリエル・カペという人の「自画像」という絵を見たときだと思う。そのときは、体中に電気が走るような感覚を味わって、おお、本当にこんな感覚があるんだなぁと思った。でも、そのあとずっと、何を見ても同じような感覚は味わえなくて、もしかしたらただの気のせいだったのかと思っていたところにフェルメールですよ。「真珠の耳飾りの少女」を見たときに、僕のオランダ妻は電気ウナギの夢を見たですよ。自分には、そういう芸術的なものを感じるセンサが本質的に欠けているとずっと考えていたので、なんだか嬉しかったのでした。

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